体が弱ったり、無理をする日が多いと発熱を起こすことがありますよね。発熱すると頭痛や喉の他に、身体の節々やいろんなところが痛くなり辛いと思います。
この記事では、
発熱時に起こる、身体の節々や全身が痛む原因についてご紹介していきます。
また、身体が痛いときの対処法や考えられる病気も紹介するので、是非参考にしてみてください。
- 発熱時に身体が痛む原因
- 身体が痛いときに考えられる病気
- 身体が痛いときの対処法
発熱時に起こる身体の痛みの原因はプロスタグランジン
発熱時に身体の痛みが起きるのは、「プロスタグランジン」という生体物質が作られているからです。
プロスタグランジンとは、ホルモンに似た物質で病気や傷があるときに活性に産生(細胞が作り出す)されます。
プロスタグランジンが作られると、痛みや腫れなどの炎症反応の増加+体温の上昇(発熱)が起こります。
これが、発熱時に身体が痛くなる原因です。そのほかにもまとめると、
- 体温上昇(発熱)
- 痛みや腫れなどの炎症反応
- 血管の拡張や収縮を通じて血圧を調節
- 胃粘膜の保護
など、プロスタグランジンは様々な生体内プロセスに関与しており、炎症、免疫応答、痛覚調節、体温調節、血圧調節などに関連しています。
発熱と痛みが同じ生体物質で行われている、これが発熱時に身体の痛みを伴う原因です。
発熱とプロスタグランジンの関係
発熱は、ウイルスなどの病原体が体に入ってきた場合に、病原体を排除または増殖を防ぐために体温を上げています。
そのときに、プロスタグランジンが作られます。脳の下部にある体温を調節する部位(視床下部)に作用し、発熱が起きます。
図で説明すると
先程も述べた通り、プロスタグランジンが作られたら、発熱の他に痛みも増加します。
痛みは傷や病気などの警告信号として、発熱は細菌感染等に対する生体防御機能の1つとして引き起こされており、私たちの体を守る大事な機能です。
全身が痛むときに考えられる病気
「全身が痛い」この症状は、さまざまな病気や状態の兆候として現れる可能性があります。全身が痛むときに考えられるいくつかの病気を紹介していきます。
あまりにも全身が痛くて耐えられない場合には、かかりつけ医に相談しましょう。
考えられる病気①:風邪
風邪(かぜ)は、主に鼻やのど、気道などの上気道に感染するウイルスによる感染症で、発熱や鼻水のほか、喉の痛みや頭痛、全身の痛みなどの症状が現れます。
風邪の主な原因は、風邪を引き起こすウイルスです。感染者がくしゃみや咳をすることで、飛沫が他の人に感染を広げます。
考えられる病気②:インフルエンザ
インフルエンザは、インフルエンザウイルスによって引き起こされる急性の呼吸器感染症です。インフルエンザには主にA型、B型、C型があり、A型とB型の方が感染する可能性が高いです。
風邪と症状と似ていますが、急激な発熱や全身の痛み、咳や喉の痛み、頭痛が風邪より酷いのが特徴です。
インフルエンザは、感染者の咳やくしゃみに含まれる飛沫を通じて空気中に広がり、他の人に感染します。また、感染した手で目や口を触ることによっても感染が広がります。
考えられる病気③:新型コロナウイルス
新型コロナウイルスの症状には全身の痛みの他、発熱、咳、呼吸困難、味覚障害などが現れ、感染が進行すると肺炎や呼吸不全を引き起こす可能性があります。
風邪と違い、味覚障害や嗅覚障害、呼吸困難の症状が特徴です。
主な感染経路は、感染者のくしゃみや咳によって発生する飛沫感染です。また、触った手で口や鼻に触ることによる接触感染もあります。
考えられる病気④:痛風
痛風は、尿酸が結晶化して関節やその周囲の組織に蓄積し、急性な関節炎や痛みを引き起こす疾患です。
痛風の発作が起こると、関節に尿酸結晶が沈着し、炎症が生じます。この炎症反応が全身に広がると、体温が上昇して発熱が起こることがあります。
考えられる病気⑤:感染性関節炎
感染性関節炎は、細菌が関節に侵入し、関節腔内で炎症を引き起こすことがあります。これにより、関節痛や腫れ、機能障害が生じます。
また、関節への傷口や手術によって、細菌が関節内に侵入することがあります。
症状には急激な関節の腫れ、赤み、熱感、痛みが含まれます。患部が触れられることによる激しい痛みが特徴的です。
考えられる病気⑥:全身性エリテマトーデス(SLE)
自己免疫疾患の一種で、本来なら細菌やウイルスなどから身体を守ってくれる免疫系が、正常な細胞や組織を攻撃することによって引き起こされる慢性の炎症性疾患です。
特に女性に多く、SLEは多様な症状を引き起こす可能性があります。関節痛、発熱、皮膚に赤い発疹(皮膚の変化)、光線過敏、腎臓障害、神経障害、血液障害などが含まれます。
症状には個人差があり、組織や臓器にダメージを与えることがあります。
発熱時に身体が痛いときの対処法
「熱で身体が痛くだるい、病院に行くのも辛い」、こんなときも症状の和らげる対処法をいくつか紹介していきます。
対処法①:解熱鎮痛薬を使う
解熱鎮痛薬というと馴染みが薄いと思いますが、簡単に言うと風邪薬や頭痛薬に含まれている、解熱鎮痛成分が入っているものを指します。
解熱鎮痛薬には、発熱と全身の痛みに親密な関係のある、プロスタグランジンを抑制することが出来ます。
プロスタグランジンを抑制できれば、痛みや発熱の緩和、そして炎症が収まります。
おすすめの市販薬はイブクイック頭痛薬DX です。
「イブクイック頭痛薬DX」は、プロスタグランジンを抑制する、解熱鎮痛成分のイブプロフェンが含まれている市販薬になっています。
他にも知りたい方はこちらの記事も読んでみてください。
ただし、解熱鎮痛剤はプロスタグランジンを抑制しているだけですので、身体に入ったウイルスや病原体などを退治しているわけではありません。
風邪を治すのは、自分の免疫力です。なので、栄養のある食事と休息を心がけましょう。
対処法②:痛い部分を冷やす
身体が痛い場合には、冷やすのが効果的です。保冷剤をガーゼやタオルで包み、直接肌や衣類に触れないようにしましょう。
これにより血管が収縮し、痛みを軽減させることが出来ます。
また、熱を下げたい場合には
- 脇の下
- 首の裏側
- 太ももの付け根
などがおすすめです。熱を下げることは身体の痛みを抑えることにも直結します。
発熱は免疫応答を活性化させる働きがあり、この免疫応答が病原体に対抗するために発生する痛みを引き起こします。なので、熱が下がると免疫応答も抑制され、痛みが緩和されます。
注意点として、寒気や悪寒がある場合には冷やさないようにしましょう。
もし、寒気や悪寒を感じるのなら、身体を冷やすことはせず、布団などで体を温めたり、汗をかいたら服を変えましょう。
対処法③:小まめに水分補給をする
発熱時に身体が痛い場合、水分補給は非常に重要です。発熱や痛みがあると、体内の水分が失われやすくなります。
発熱時は通常、発汗が増加し、呼吸も速くなります。これにより水分が失われるため、小まめに水を飲むようにしましょう。
水分補給をする際におすすめなのは、経口補水液です。
経口補水液は、水やスポーツドリンクよりも効果的に水分補給ができ、必要な電解質も補給できるため、汗をよくかく発熱時におすすめです。
ただし、糖分が少なく味は美味しくないので、苦手な人はポカリスエットなどのスポーツドリンクにしましょう。
まとめ:発熱と全身の痛みはプロスタグランジンが原因
この記事では、発熱時に身体の節々や全身が痛む原因について解説していきました。
発熱と身体の痛みは、プロスタグランジンという生体物質であり、体温の上昇と痛みの増加で身体を守りつつ、体調不良を教えてくれる大切なものでした。
なので、発熱時に身体が痛むことは仕方のないことです。
マスクや手洗いうがい、しっかりと体調管理をして、風邪にかからないようにしましょう。
もし、風邪になっても解熱鎮痛剤を使用、水分補給で症状を和らげて、上手に対処していきましょう。